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3.262020
国土交通省、「今後の市街地整備の在り方」における方向性を提示
国土交通省は、「今後の市街地整備の在り方に関する検討会」の報告を公表し、今後、市街地整備にどのように取り組むべきかその方向性等を提示したとのことです。価値観やライフスタイルの多様化により市街地に対する評価軸が大きく変化していることもあり、市街地が人にとって居心地が良いか、人との関係が生まれるかどうかといった「アクティビティがもたらす価値」を重要視しているようです。一方では、既成市街地では一定の整備が行なわれてきたものの、十分な基盤整備が行われていない既成市街地や防災性向上が求められる木造密集市街地も依然存在していることから、堅牢性の高い建物、都市基盤等の老朽化や陳腐化、高まる災害リスクといった課題の対応を必須とし、エリアを見渡したトータルな視点から解決を図ることが重要で、「『空間』・『機能』確保のための開発」から『『価値』・『持続性』を高める複合的更新」を進める「市街地整備2.0」と呼ぶべき考え方への転換が必要であることを示したようです。市街地整備手法の在り方について、整備済みの道路等の都市基盤においては必要に応じて土地区画整理事業等による再編等を進め、すでに高度利用がされているものの老朽化・陳腐化が進行した耐火建築物であるビル群については、市街地再開発事業のほかに任意建替やリノベーション等の手法により、機能更新を図りエリアとしての価値を維持・向上させ、まちなかの市街地を再構築していく必要があると指摘し、「高度利用」の考え方については、市街地再構築にあたり、必要に応じて適切に活用することを有効であるとし、持続可能性確保・競争力強化の観点から立地適正化計画等との連携により再編を進めていくことが重要であると提示したとのことです。