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10.142020
官民が新たな住宅ローン、「残価設定型」の開発
毎月の返済負担を軽くする新たな住宅ローンの開発に官民が乗り出すようです。国土交通省は住宅購入時の借入額と将来的な住宅価値の差額のみを返済する「残価設定型」のローンの普及に向け、2021年度にも民間の金融機関が参加するモデル事業を始めるとのことです。
借り手にとっては毎月の返済額を低く抑えられるのが最大のメリットであり、自動車では一般的な仕組みだが、住宅ローンでは昨年11月に新生銀行が取り扱いを始めた程度で普及していないようです。
残価設定ローンが広がらない背景には日本の特殊な住宅事情があり、日本の住宅は「建築から20~25年が経つと資産価値がほぼゼロになる」と言われており、湿気や風雨で住宅の劣化が進みやすいこともあるが、金融機関に建物の良質性を評価できる経験や知見が足りない点も大きな理由とのことです。
モデル事業では残価設定の肝になる建物の質に応じた融資額の設定方法や、将来的な住宅価値を評価する手法の研究費用などを特に重要視して助成する方針のようです。
住宅を巡る環境は少しずつ変わってきており、質の高い物件を認定して税優遇などを与える「長期優良住宅」は、制度開始から10年が経過して年間の新築一戸建ての供給戸数のうち25%ほどが認定を受け、質の高い住宅が一定割合普及し、残価設定ローンが使える環境が整ってきているとのことです。