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温暖化による景気悪化を懸念、GDP25%消失試算も

世界の中央銀行や金融監督当局が気候変動リスクへの警戒を強めており、温暖化で自然災害が大規模になることで景気を悪化させ金融システムを不安定にする懸念が高まったようです。2100年までに世界の国内総生産(GDP)が最大25%失われるとの試算もあり、各当局は金融機関の財務への影響を測定したり、環境対策に積極的な企業の資金調達を後押ししたりする対応に動き始めたとのことです。
各国・地域の中銀や監督当局で構成する「気候変動リスク等に係る金融当局ネットワーク(NGFS)」は今夏、気候変動シナリオを分析したリポートを発表し、同組織には日銀や金融庁も参加しており、リポートに「温暖化への対応が遅れる場合は世界のGDPが2100年までに最大25%消えるインパクトがある」という内容を盛り込んでいるようです。
気候変動のリスクは大きく分けて2つあり、一つは温暖化による台風の巨大化や海面の上昇など自然災害によって、不動産などの物理的な被害が膨らむリスク、もう一つは温暖化ガスの増加につながる化石燃料の規制が進み、企業のコストが増えたり、事業の採算が悪化したりするリスクとのことで、同試算は、この物理的なリスクを織り込んでいるとのことです。
もっとも、金融政策は経済や金融市場全体に働きかけるマクロ経済政策であり、環境対応という特定分野に焦点を当てるのは適切ではないとの意見も根強く、日銀内にも「環境債の購入は市場の資源配分機能をゆがめかねず、中立性を重んじる中銀にはそぐわない」との声があり、気候変動リスクに金融当局がどこまで関わっていくべきか模索が続くもようです。

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