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長期金利0.175%、マイナス金利決定後 5年1カ月ぶり高水準 

26日の国内債券市場で長期金利は上昇し、債券価格は下落しました。
指標となる新発10年物国債利回りは一時前日比0.025%高い0.175%と、日本銀行がマイナス金利政策の導入を決定した2016年1月29日以来、およそ5年1カ月ぶりの高水準をつけたようです。米国では金利が一段と上昇し、国内市場でも債券は売りが優勢となったようです。
新型コロナウイルスのワクチン普及や米政府による大型の追加経済対策への期待から、25日に米長期金利がおよそ1年ぶりに1.5%を超え、国内にも売りが波及したもようです。日本銀行が3月に結果を公表する方針の政策点検で「プラスマイナス0.2%」とする長期金利の変動許容幅を広げる検討をしていることも、債券利回りに上昇圧力をかけているようです。26日は中期国債や超長期国債の利回りも上昇したとのことです。
新発5年債利回りは一時マイナス0.030%と16年1月29日以来およそ5年1カ月ぶり、新発30年債利回りは0.765%と18年12月以来およそ2年2カ月ぶりの高水準をつけたようです。長期金利は16年のマイナス金利の導入決定後に急激に落ち、16年9月からは日銀が長期金利をゼロ%程度に誘導する「長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)」を導入して変動を抑えてきており、マイナス金利政策の導入決定後では18年10月につけた0.155%が最も高かったもようです。ただ金利の変動が小さくなりすぎると金融機関の収益源が失われてしまうため、日本銀行は長期金利の変動許容幅拡大を検討しているようです。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美氏は「日銀が臨時の国債買い入れオペ(公開市場操作)などで金利の上昇抑制に動かなければ、長期金利は0.2%程度まで上昇する可能性がある」との見方を示しました。
外国為替市場では円が落ち込み、対ドルの円相場は26日に一時1ドル=106円43銭と、20年9月以来およそ5カ月ぶりの円安・ドル高水準をつけ、米長期金利の上昇を受けて日米金利差が拡大するとの思惑から、円売り・ドル買いが有利だったようです。

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