ブログ

ファンド、投資先の株売却10兆円 1~3月最高

世界のファンドの投資余力が高まっています。投資先企業が新規株式公開(IPO)などを通じて2021年1~3月に株式市場で調達した金額の合計額は941億ドル(約10兆円)となり、四半期ベースで過去最大でした。この金額の大部分をファンドが回収しており、東芝に対する買収提案のような大型買収案件が増える可能性があるとのことです。金融情報会社リフィニティブのデータを使い、ファンドや投資会社が投資する企業のIPOに伴う資金調達額と、特別買収目的会社(SPAC)への企業売却による調達額を足し合わせました。2020年7~9月以降、3四半期連続で過去最高を更新し、それ以前の最高は2006年10~12月期の488億ドルで、2021年1~3月期はこれより9割超多いとのことです。背景にあるのは急速に株式相場が回復し、投資先企業が上場しやすくなったことです。1~3月はファンドや投資会社が出資する企業のうち、世界で152社が上場しました。上場に伴う資金調達額は前年同期の4倍の521億ドルとなったようです。ソフトバンクグループ(SBG)が出資する韓国の電子商取引(EC)大手クーパンはニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場し、45億ドルを調達しました。中国・騰訊控股(テンセント)が出資する動画投稿アプリの快手(クアイショウ)科技は香港取引所に上場したもようです。資金回収が順調に進むことで、投資会社やファンドによる買収がさらに活発化する公算が大きく、一般にファンドは回収した資金をいったん機関投資家に分配しますが、運用成績がよければ新たなファンドを立ち上げた際に投資家から資金を集めやすくなるためのようです。米国ではファンドの投資先企業がSPACを通じて上場する例も増えています。リフィニティブによると、1~3月にSPACが買収を決めた企業のうちファンドの投資先は16社あり、買収額は合計で419億ドルと四半期で過去最高でした。SBGや米シルバーレイクが出資するオンライン融資の米ソーシャル・ファイナンス(ソーファイ)は1月にSPACとの合併を通じてNYSEへの上場を決めたとのことです。

関連記事

GlobalSign SSL

SSL GMOグローバルサインのサイトシール
お客様のご入力された内容は、実用化最高レベルの暗号技術(SSL256ビット)によって暗号に変換された上で送信されます
ページ上部へ戻る