ブログ
1.192022
東京海上、不動産買収に保険 法令違反・施工不良を補償
東京海上日動火災保険は不動産投資ファンドや不動産会社向けに、不動産の買収リスクを補償する保険を販売するようです。買収後に建築基準法違反、施工不良が発覚して損害を被った場合などに損害を補償するようです。不動産取引が活発になっており需要が見込めると判断したとのことです。法令違反がないと示すために売買契約書に明記する「表明保証条項」に違反が見つかった場合に補償し、法令違反は双方で見解が異なったり、損害時までに売り主のファンドが解散・倒産したりするリスクがあるため、売り主から十分な賠償を受けられない事例が多いもようです。損失額は数千万~数十億円となる場合があり、支払限度額を5億円に設定した場合、保険料は年250万~500万円程度とするようです。現物の不動産でなく、賃料を受け取る権利である「不動産信託受益権」を売買する場合も補償するとのことです。傘下の米HCCインシュアランスホールディングスが手がける不動産取引向け保険を日本市場に投入し、東京海上グループの不動産コンサルティングの知見も生かすようです。将来は海外での工業用地の取得などに補償範囲を広げることを視野に入れているとのことです。欧米は不動産登記制度がなく書面上の所有権者と実際の所有者が異なります。このため、同保険は買い主が適切に所有権を得られないことによる損害への補償が手厚く、一方で東京海上の新保険は日本の商慣行にあわせ、建築基準法違反や耐震性能を巡る品質不良への補償を充実させるもようです。