三井住友海上火災保険は9月、中途退職者を集めた「アルムナイ（卒業生）」ネットワークを設立するようです。2022年度内にも若手の退職者を中心に約300人を集め、定期的に交流会を開くもようです。これまで心理的な抵抗感が強かった再入社を増やすほか、転職先のスタートアップ企業などと協業を探り、退職者との関係を保ち経営に生かす狙いのようです。年間50人規模の中途採用を計画しており、このうち年数十人を再入社で獲得する考えのようです。金融業界では、みずほフィナンシャルグループが会社主催で退職者と交流するSNS（交流サイト）を用意しているようですが、三井住友海上がアルムナイを再入社の候補者と明確に位置づける動きは珍しいとのことです。三井住友海上も専用のSNSを開き、退職者にタイムラインへの自由な投稿を促すほか、テーマごとに退職者同士の情報交換の場をつくるもようです。人事部の主催で卒業生の抱える課題を共有する報告会もリアルやオンラインで3カ月ごとに開き、SNSで三井住友海上の最新の施策や事業案を示し、退職者に意見や反応を求めることも検討するとのことです。中途退職者の組織化は保険業界で初のようです。今後は外部でデータ分析や語学力などの専門性を身につけた社員が再入社を選ぶことを期待し、メーカーに転職して海外事業に携われば、海外での事業投資の知見や実践的な語学力の向上なども見込めるもようです。離職中に積んだ経験や習得したスキルは給与や職責に反映し、キャリアの断絶が起きないように工夫するとのことです。