大和証券グループ本社がアイルランドを拠点にM&A（合併・買収）の助言を手掛ける独立系のIBIコーポレートファイナンスを買収したことがわかりました。大和の欧州拠点のネットワークを生かし、アイルランドと欧米企業の間の国際取引を増やすようです。2030年度にM&A関連収益を22年度比1.5倍の700億円に増やす戦略の一環のようです。11月初旬に100％子会社としたもようです。買収金額は非開示ですが1000万ユーロ（約16億円）超とみられているようです。海外のM&A助言会社の完全子会社化は、18年にスペインのモンタルバン社を買収して以来5年ぶりとなるとのことです。IBIは1966年設立で、本拠は首都ダブリンです。人員は28人体制で、金融やヘルスケア、インフラなど幅広い業種のM&Aを助言するようです。1件5億ドル（約750億円）未満の中小型案件の実績が多く、年間利益は約240万ユーロ（約3億8400万円）とみられているようです。アイルランドはM&Aが増加傾向にあり、会計事務所系のアドバイザーによる案件が多いようです。IBIは大和の傘下に入ることで、大和の海外部門が持つ欧米のプライベートエクイティ（PE=未公開株）ファンドなどとのネットワークを生かし、国をまたぐ取引となる「クロスボーダー案件」の助言を増やす方針のようです。