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3.212024
第一生命、米運用会社に380億円出資 代替資産を強化
第一生命ホールディングス(HD)は14日、米中堅運用会社キャニオン・パートナーズ社に出資すると発表しました。出資額は日本円で約380億円。株や債券などの伝統的な運用資産と異なるオルタナティブ(代替)資産の運用を強化し、収益力の改善を図るもようです。キャニオン・パートナーズ社は1990年に設立。預かり資金を融資で運用する「プライベートデット」に強みを持つ米国の中堅運用会社で、預かり資産残高は23年7月1日時点で244億ドル(約3兆6000億円)となっています。14日、キャニオン・パートナーズ社と出資に関する合意を結んだもようです。第一生命HDの完全子会社DLUS社を通じてキャニオン・パートナーズ社に約2億5500万ドル(約376億円)出資するとのことです。出資にあわせて設立する新会社の持ち分の19.9%を取得するようです。出資は手元資金で対応するとのことです。第一生命HDから取締役を2人派遣し、新会社を持ち分法適用会社とするようです。監督当局の認可などを経て、5月中旬から6月ごろをメドに手続きを終えるもようです。同社は持ち分比率を27年に51%、29年に100%まで引き上げることができる権利を持つとのことです。あわせて、第一生命HDはキャニオン・パートナーズ社に13億ドル以上の運用を委託するようです。プライベートデットは08年の金融危機以降の規制強化で制約が増えた銀行融資の不足を埋める手段として米欧を中心に発達してきました。英調査会社プレキンによりますと、23年3月末時点の運用残高は約1兆6000億ドル(約240兆円)に達するもようです。直近5年間の平均成長率は15%超と代替資産のなかでも高い水準を維持しているとのことです。第一生命HDは27年3月末までに、現在約3兆6000億円の株式時価総額を6兆円に高める目標を掲げています。営業職員による営業中心の国内生保事業が低迷するなか、成長領域と見込む資産運用事業のてこ入れで収益力の強化を目指しているとのことです。