日本銀行が10日に発表した3月の企業物価指数（速報値、2020年平均=100）は120.7と、前年同月比で0.8％上昇したようです。2月（0.7％上昇）から伸び率が0.1ポイント拡大し、2カ月連続で伸び率が拡大したとのことです。銅や原油相場の上昇による値上げの動きがみられたほか、政府による電気・ガスの補助制度の効果が一巡したことも寄与したもようです。同日に発表した23年度平均の指数は119.9と、前年度比で2.3％上昇したようです。22年度（9.5％上昇）より伸び率が縮小したようですが、指数としては過去最高となったようです。企業物価指数は企業間で取引するモノの価格動向を示すようです。サービス価格の動向を示す企業向けサービス価格指数とともに今後の消費者物価指数（CPI）に影響を与えるとのことです。企業物価は前年同月比で37カ月連続の上昇で、3月の上昇率は民間予測の中央値（0.8％上昇）と同じでした。内訳をみてみますと、非鉄金属は前年同月比5.7％上昇し、2月（3.6％上昇）から伸び率が2.1ポイント拡大したようです。中国の製錬会社が協調減産に合意した影響で銅の価格が上昇したようです。飲食料品も3.7％上昇し、すし・弁当・おにぎりなどで包装資材や原材料コストを転嫁する動きがみられたようです。電力・都市ガス・水道は前年同月比19.1％下落したようですが、2月（21.5％下落）より下げ幅が縮小したもようです。政府の電気・ガスの補助制度が実施から1年以上たち、前年同月比を低く抑える効果がなくなったようです。原油などの価格上昇が遅れて反映される燃料費調整も押し上げにきいたとのことです。