財務省が2日に発表した7〜9月期の法人企業統計によりますと、全産業（金融・保険業を除く）の経常利益は23兆124億円で、前年同期と比べて3.3％減ったようです。7四半期ぶりにマイナスに転じ、海外企業との競争激化や一時的な円高の動きなどが製造業の利益を押し下げたようです。製造業の経常利益は前年同期に比べ15.1％減少したようです。自動車などの輸送用機械が16.8％落ち込み、最大の押し下げ要因となったようです。海外での販売競争が厳しかったほか、9月に一時1ドル=139円台になるなど為替レートが円高に振れる動きが出たことも影響したとみられるようです。原油価格が下落したことで、石油・石炭の経常利益も157.2％減と大幅に減ったもようです。非製造業の経常利益は4.6％増となり、最も増益に寄与したのはサービス業で、持ち株会社の配当収入が増えたことなどから64.3％増だったようです。デジタルトランスフォーメーション（DX）関連の投資が増えていることで、情報通信業も10.8％の増益だったようです。設備投資は前年同期に比べて8.1％増え、13兆4110億円だったもようです。増加は14四半期連続となり、製造業が9.2％増、非製造業が7.4％増と共に増えたようです。半導体関連の需要増により生産能力を増やす動きが活発だったほか、駅周辺の開発投資、宿泊施設の開業などが目立ったとのことです。売上高は2.6％増の377兆2965億円で、14四半期連続で増加し、食料品の値上げによる価格転嫁が進んだことや化学関連の需要増を背景に、製造業が2.8％増えたようです。非製造業もインバウンド（訪日外国人）増加によりサービス業や運輸業などが好調で、2.5％増となったもようです。